Intelの超低消費電力CPU「Atom」を初めて搭載したマザーボード「D945GCLF」がIntelから発売された。フォームファクタはMini-ITXで、搭載CPUはAtom N230。価格は7,980~12,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)で、入荷ショップは多めだが、各店の入荷数は「ごく少量」(複数ショップ)。一時全ショップで完売になるなど、既に強い品薄状態だ。
●電力効率重視の新アーキテクチャ
シングルコアでHyper-Threading対応
Atomシリーズのウリは、電力効率を最重要視した新アーキテクチャ。これは「モバイル・インターネット機器 (MID) と低コスト PC の新しい波を想定したもの」(インテル)とされており、動作クロックやキャッシュ容量は少ないながらも低いTDPや優れた電力効率、価格の安さなどが特徴となっている。製造プロセスは最新の45nmで、コアはシングルコア。
今回登場した「Atom N230」は、シリーズ中の廉価版で、動作クロック1.6GHz/L2キャッシュ512KB/FSB 533MHz/TDP 4Wといった仕様。動作クロックやキャッシュ容量、FSBは上位モデルの「N270」と同じだが、TDPが2.5W→4Wに上昇しているほか、低消費電力モードのC3/C4ステートが削除され、電力削減機能のEISTも無効になっているとされている。なお、BIOS画面を確認すると、動作クロック/2次キャッシュ容量/FSBが1.6GHz/512KB/533MHzであることや、EM64TやHyperThreadingが有効なことなどを確認可能だ。
●マザーボードはシンプル
発売されたマザーボードは最小限の機能に絞ったシンプルなもので、CPU自体はオンボード。CPUはファンレスだが、ノースブリッジにはファンが付いている。チップセットはi945GC+ICH7。
搭載している主なオンボードデバイスは、VGAとステレオサウンド、10/100Base-TX LANで、拡張スロットとしてはPCI×1とDDR2 DIMM×1(DDR2 533/667対応)を備える。チップセットの世代が古いため、ドライブ用インターフェイスがSerial ATA×2+パラレルIDE×1なのも特徴だ。
拡張性は低く、絶対的な性能も低いと思われるため、「どんな用途でも」というわけにはいかないが、その消費電力の低さや静音性への期待、さらには約8千~9千円程度でCPU+マザーボードが入手できるという価格の安さは十分魅力的。久々のMini-ITXマザーボードとしても注目で、同プラットフォームの起爆剤となる可能性も考えられる。
なお、この製品は入荷量の少なさと人気の高さで7日(土)現在、強い品薄。次回入荷については「7月ごろになる」(複数ショップ)、「13日(金)に並行輸入版が入荷するが、価格は11,340円になってしまう見込み」(USER SIDE マルチ・スペース)などの声がある。
□Atom Processor(Intel)
http://www.intel.com/jp/products/centrino/atom/index.htm
http://www.intel.com/jp/technology/atom/
http://www.intel.com/products/processor/atom/index.htm
□D945GCLF(Intel)
http://support.intel.com/products/motherboard/d945gclf/
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【6月4日】ntel、“Diamondville”こと「Atom」を正式発表(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0604/comp04.htm
【4月2日号】インテル、Atomでモバイルインターネットを推進(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0402/intel.htm
【2008年5月19日】MSIのAtom搭載ミニPC「WIND PC」速報レビュー(PC Watch)
(1.6GHz版Atomのレビューあり)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0519/msi2.htm
| (Intel D945GCLF) |
[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOPとツクモケース王国とパソコンショップ アーク]